2023/8/19~20 明神岳主稜

2023/8/19~20 明神岳主稜

こんにちは、Kuです。台風もおさまった8月後半、Mさんと北アルプスは明神岳主稜に行ってきました!

横尾までの道のりでまず登山者の目を引く明神岳ですが、梓川側からよく見えるのが5峰。明神池からの景色も壮観です。

山頂までの道のりに一般登山道はないため、バリエーションルートとなります。ルートは上高地から、記念撮影でごった返す河童橋を通り抜け、岳沢湿原から岳沢小屋へ。登山道の途中に明神岳南西尾根の取り付きへ向かう踏み跡をたどり、急登をひたすら登り上げ明神岳5峰まで。そして、4、3、2峰と越えていき、1峰明神岳頂上へ。その後は稜線をたどり前穂高岳頂上で一般登山道と合流します。

左から明神5峰、4峰、主峰。明神からのイメージ写真です!

平湯からバスを乗り継いでおなじみ上高地バスターミナルに下り立ちましたが、雨は降ってないまでも空はどんより。

稜線上で一泊の予定ですが、この日は午後から天気が崩れて雷の予報。ピークに張ったテントなんぞ雷に落ちてくれと言ってるようなものなのでコルに張りたいところです。水は下りの岳沢小屋までないため、上高地バスターミナルで4リットル汲んでいきました。

岳沢登山道の7番標識到着。ここから登山道を離れる

この道は何度も(主に下りで)使ってますが、こんなところにしっかりした踏み跡があったとは驚きです。天然クーラー(風穴)の手前ですね。

ここからはひたすら急登。踏み跡はありますが、倒木が至る所で行く手を阻みます。藪こぎじゃないだけマシと言ったところ。

前をさくさく行くMさん。何か、間が広がってきたような(汗)

途中、ちょこちょこトラロープが出てきます。保持できる木も多いのでそれほど危ない箇所はないです。ザックなどの引っかけには注意を。

ここだけ少し岩登りぽい

樹林帯の急登を登ること3時間半ほど、ここを越えると視界が開けてきました。

焼岳へ続く稜線、梓川沿いには河童橋も見える

雲行きは怪しいですが、まだ何とか焼岳まで見渡せる青空。明神池を探してみたものの見つけられませんでした、、、残念。

ここから傾斜は少し緩やかになり5峰が見えてきました。この5峰ピーク手前の台地上地形が主稜上では一番大きなビバーク適地ですが、まだ時間も早いため先に進みます。お昼に近づくにつれ、ガスもわいてきました。

5峰ピーク手前から振り返る。ビバーク跡地が点々と見える

お昼前に5峰ピークに到着。名物のピッケルもありました!

木の柄でビンテージ感あります。トンボ多し。

近くでよく見てみると刻印が。Claudius Simond Chamonix Mont-Blanc と書かれています。誰が置いていったんでしょうか、ロマンがありますね!

シモン・スペシャルかな?

ここから、やっと南西尾根から主稜にのります。が、今後の天候を考慮して、5峰と4峰のコルでビバークすることにしました。今日はのんびり行程です。

霧に包まれる稜線

この辺りは、1~2テンなら2張行けそうでし。うちらは、岩の影になっているスペースが落石が心配だったので稜線側に陣取りました。少し谷側に傾いていたので、山側に寝ていたMさんは寝心地が悪かったかも(ゴメンヨー)

肌寒くなってきたので早々とテントにこもってプチ宴会していたところ、夕方にかけて結構な雨音が。遠く雷音も聞こえてきました。早めに行動終了してよかった。

***

翌日、4時半出発を予定していたものの外はまだ暗く、明るくなってきた5時に出発しました。まだまだ暑いですが、確実に秋に近づいてきているようです。5時半、4峰に到着。コルからは結構登らされましたが、それほど危険な個所もなく、踏み跡もしっかりしていました。

これから行く3峰、2峰、1峰まで見える

3峰は登ることもできるようですが、今回は岳沢側に巻いていきます。よく目印にされているロープがありました。

芯まで剥き出しなのでそっとしておく🤫

その後、3峰ピークに向かわないようにと意識し過ぎたせいか、踏み跡を外してしまい思ったより岳沢側に寄ってしまいました。何とか稜線上のハイマツ帯を目指してよじ登りルートへ復帰。すると、ちょうど2峰ピークが見えてきました。

2峰ピークへの登り

振り返ると、巻いてきた3峰もくっきりと見えます。稜線のピークを越えていくのって楽しい。

2峰から3峰

下の写真の先に1峰と2峰のコルへの懸垂地点がありました。Mさんは直上しそのまま2峰ピークを越えて、自分は左側を巻いた先で合流。2峰ピークは越えても越えなくても懸垂地点へはたどり着けるようですが、せっかくなので越えとけば良かったなと今更ながら…。

この先が懸垂地点

6時半、懸垂地点へ到着。残置スリングやらロープやらが縦横無尽に張り巡らせており、確かに「懸垂地点はどこか」と聞かれれば「行けば分かる」状態。

懸垂ポイント。岩にロープがぐるぐる。

下りのちょうど真ん中辺りに平なスペースがあり、2つめの懸垂支点があるので、懸垂は2ピッチに切っていきます。残置ロープはあるけども、、、それで下りるのは怖いなあ😅

懸垂2ピッチ目。白っぽいのが残置ロープ

コルへ下り立った後はひたすら1峰を登り返します。ピークまでのルートは、懸垂地点から見るとガレガレにしか見えませんが、踏み跡はしっかりしており思ったよりは登りやすいです。

1峰ピークへ!

7時半、明神岳頂上(1峰ピーク)到着。標識はありませんが、明らかな稜線上の最高峰。前穂高岳も姿を現しました!

明神岳頂上から。前穂高岳と吊尾根からの奥穂高岳もばっちり。

頂上での景色を堪能したあとは、岳沢側に少し下りつつ踏み跡を頼りにまずは奥明神沢のコルを目指します。知ってはいたのですが、ここから前穂までが遠い。ご覧の通り、頂上から見てもわりと稜線の奥の奥にあります。

凹んでいる所が奥明神沢のコル。ビバーク地点は見つけられなかった・・・

ここからは標高差240mほどですが、稜線のためまぁまぁアップダウンがあります。距離も吊尾根ほどではありませんが、根気よく行きたいところです。今日のゴールは前穂高岳から下山しての上高地…😂

懸垂下降と明神岳頂上という今日の一大イベントを終えてトボトボ気味の自分に追い打ちをかけるように、雲行きも怪しくなってきました。Mさんは元気に登っていきます、さすが!

天気のこの変わりよう…

上の写真の左上に小さく見える標識が前穂高岳登山道との合流地点です。そこまで行けば頂上はすぐ。

奥明神沢のコルから前穂高岳までは踏み跡がしっかりしていて、迷うところも危ないところもそれほどありませんでした。最後の方は特に一般登山道かなと思うほど道がしっかりしてます。前穂高岳方面から迷い込まないよう注意標識もあるぐらい。

合流地点到着時は、コルからの登りに辟易し、前穂の頂上はどっちでもいいかも…という自分らではありましたが、9時半、無事に前穂高岳登頂しました。

真っ白。明神岳が見えなかったのは残念。

天気は悪かったですが、頂上は登山者の方々がそれなりにいらっしゃって写真を撮ってもらいました。どこから来たの〜?明神岳で~す。という会話がデジャヴ(7月)。そういえば、7番標識からここまで自分たち以外の人に会わなかったな。

紀美子平まで下りると少し天気が回復し、ちらっと明神岳が姿を見せてくれました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: KIMG9665-1024x1024.jpg
7月(晴)にも同じアングルで写真を撮っていたけど、色調が大違い🤣

その後、岳沢小屋まで下りて優雅に休憩していたところで突然のゲリラ豪雨と雷鳴に遭遇。下山道では、沢の上流部が滝になっているのが見えるほどでした。岳沢小屋まで天気が持ってくれて良かった!

帰りは上高地で山賊焼きを食べて帰途へ。

下山後、上高地より。右端が明神岳5峰かな

明神岳は、明神池からカッコイイなーと眺めたことがあり、名前は知っていたものの登れるとは思っていなかったので、今回晴れ間に登れて嬉しかったです。稜線からは穂高連峰と梓川の景色も美しく、楽しい岩稜歩きがメインでとても良いルートでした!

Mさん、ありがとうございました~!