2023/8/11~12 南アルプス 鋸岳

2023/8/11~12 南アルプス 鋸岳

こんにちは、Kuです。今年のお盆は日本中が台風7号に翻弄されましたね!自分も例に漏れず翻弄されたたちですが、何とか台風が来る前にKaさん、Koさんと南アルプスは鋸岳に行ってくることができました。

台風の影響で、お盆の山行計画の変更を余儀なくされたところ、南アルプスなら天気が持ちそうだし、バリエーションの訓練にちょうどいいのではとKaさんに提案いただき、北沢峠から甲斐駒ヶ岳を越えて鋸岳を縦走するルートとなりました。

前夜、お盆の渋滞に巻き込まれながらも戸台口に到着。翌朝5時、のんびり起きてみれば人の多さにびっくり。考えてみると8/11(金)は山の日。そのせいか分かりませんが、既にバス待ちの行列が駐車場の端まで伸びる勢いでした。慌てて準備をすませね列に並びましたが、始発(5時半)バスに乗れないのではとも心配してしまうほど。7、8台目?ぐらいのバスに何とか乗ることができました。

北沢峠に向かうバスの車内からは鋸岳も見れるとのことで、眠けと戦いながら車窓左側の景色を追いました。

車窓から鋸岳方面。ビュースポットで運転手さんがアナウンスしてくれました。

早朝登山口へ向かう登山バス、とても眠いと思いますが、ここからの鋸岳の景色おすすめです!

ノコギリ状のギザギザが際立って見えます。今回のルートの、甲斐駒ヶ岳に登った後、一旦400m近く下って六合石室小屋で一泊。翌日、三ツ頭へ登り返してから、中ノ川乗越まで下る。そこから第二高点まで超登り、からの激下り&登りが大ギャップ。を越えると第三高点と第一高点・山頂です。そこから稜線を下り、角兵衛沢のコルからこれまた急な坂を下っていきます。というのがほぼ見えました。

鋸のギザギザもさることながら、角兵衛沢のコルからの下りのガレガレ具合もなかなかすごいです・・・そして見返して見ると下山の沢ルートがなかなか長いし傾斜も急ですね。。。この時の自分は、稜線のギザギザに気を取られたものの景色に満足し、すぐに仮眠タイムに戻っていました。

6時半、バスは予定より少し早く北沢峠に到着。肌寒いので準備もそこそこにまずは甲斐駒ヶ岳を目指します。樹林帯を抜けると、明日行くルートを見ることができました。本当に台風が来るのかというような晴天。直射日光が痛かったです。

左奥が翌日向かう鋸岳

登ること3時間弱で駒津峰に到着。甲斐駒ヶ岳もどーんと見えてきました。

雲の切れ端の少し下に見えるのが六方石

甲斐駒ヶ岳は黒戸尾根からしか登ったことがなかったのですが、北沢峠からだと近くていいですね!この日、甲斐駒ヶ岳までの登山道はずっと登山客でにぎわっていました。

最後は岩稜直登コース

甲斐駒ヶ岳の直下は岩稜直登コース(一応、破線ルート)と六方石の少し上から摩利支天の方に巻く巻き道コースがあるのですが、この日はほぼ皆さん岩稜ルートだったようです。途中の分岐が少し地味なのか、気付かず来られていた方もいました。お気をつけてー。

11時過ぎ山頂到着。お昼が近くなってきたせいか雲がかかるようになってきました。カンカン照りのなか登ってきた身としてはありがたいですが、先ほどまで見えていた縦走路も雲で隠れてしまいました。

今回の行程ではここからが本番です。一休みしたら、今日の宿泊地の六合石室小屋に向かいます。せっかく、2967mまで登ったのに400mも下りないといけないのか。。。ルートを見失う箇所も所々ありましたが、踏み跡はそれなりにあったので視界がそれほど悪くなければ迷うほどではないです。基本は稜線を行っていました。

鎖はしっかりしてました

歩くこと1時間。稜線から少し下りた先、13時過ぎ六合石室小屋に到着しました。結局、目の前に着くまで六合石室小屋を見つけることができませんでした。Kaさんと、Koさんには見えていたのに不思議です。自分は一体何を見ていたのか、、、テン場適地の開けた場所ぽいものは、遠くからもよく見えます。

当日は先客が2パーティいらっしゃいました。留守のパーティの方たちはピストンで鋸岳にアタック中とのこと。

小屋内の板の間から。広い土間もあり。「ノコギリ注意!」

それでは、とそそくさと荷物を広げさせてもらい少し休憩。水汲みという大事な作業に向けて体力回復します。石室小屋は稜線上のため、少し下りて水を汲みにいかないと行けません。事前情報では、通常の水場はもう枯れているため、その下の沢まで下りないといけないとのことでした。先に到着されていた方も、結構下った!とのことでした。まあ、水があるだけありがたいです。

ザックにありったけの容器を詰め込み水場に向かいました。道を探してぐるぐるしてしまいましたが、小屋を出て右になるべく岩沿いに真っすぐ行くのが正解のようです。テント場適地に出るので、白い棒(写真右下)と踏み跡を頼りに枯れ沢を下っていきます。

ここのビバーク地も悪くなさそう

15分ほど下ったかと思います。枯れ沢沿いにずっと下りていくと少しだけ開けたところに出て、水がチョロチョロと流れているのが見えました。踏み跡はありますが、崩れている箇所も多々ありました。

近くで見ないと分からない程度に辛うじて流れている。音は聞こえる

ここで今夜と明日の分の水を補給。まあまあの重労働でしたが、お水、美味しかったです。

帰りは迷わず戻って来れました

小屋に戻ってくると本日の住人がお2人増えていました。お盆期間とあってか盛況?です。夕方になると、鋸岳に行っていたパーティ(何と海外からの多国籍パーティ)も帰ってきていました。NOKOGIRIはクレイジーらしいです。

翌日、夜が明けてから小屋を出発。まずは三ツ頭を目指します。途中までは踏み跡を頼りに稜線を行っていたのですが、途中東よりにトラバースし過ぎてしまい、かなり烏帽子岳方面へ巻いてしまいました。仕方なく、三ツ頭から烏帽子岳への稜線へ登り返したところ、小屋で一緒になった多国籍パーティと鉢合わせ。彼らはこれから日向山方面へ下山するとのことでした。ご安全に~。

一応の登山道には復帰したので、気を取り直して中ノ川乗越へ向かいます。アップダウンあり、細くザレた箇所も多いので慎重に進みます。

緑のロープが出てきたらロープ沿いに下る

急な樹林帯を下ると視界が開け、乗越とともに第二高点が見えてきました。

ここから一度、中ノ川乗越まで下る

この、いかにも石が崩れそうな沢筋を下から登り返さないといけないのですが、ここから見ると本当に登れるのかと若干心配になってくる光景です。

下に見えるのが中ノ川乗越

すぐに登り返します…

乗越から見上げるとザレザレというよりガレガレ

第二高点への登りは右の岩壁沿いに踏み跡があり、他の場所よりは少し崩れにくいので、細い踏み跡を頼りにひたすら高度を上げていきます。見た目よりは登りやすいと思います。見た目よりは。

第二高点に到着。天気良し。第一高点に立つ人影が見えます、早いなあー。

第一高点とおそらく第三高点が見える。

この下が大ギャップ。ルートはギャップを巻くように下るので、うっかり下る方向を間違えないようにしないとです(自戒)。巻くといっても結構な高度差でした。樹林帯ですが、ガレ沢を横切る箇所もあり落石に気を使いました。

鹿の窓ルンゼ下部に到着。ここからガレガレの登り。

ルンゼ下部は新しめのしっかりしたロープが張ってあったので、それを使わせてもらいました。(確か戸台のバス停で、鋸岳縦走路に設置してあるロープや鎖は信用するなと書いていたような、、、自己責任というやつでしょうが判断難しい。)

(前パーティの登りを観察した結果、)ここの登りはあまり右寄りに行くと石が崩れやすいため、ロープをたどり左側の木の生えている方へと踏み跡をたどり登っていきました。このルートならそこまで崩れませんでした。ここまで来ると登り口が見えてくるので右寄りに登っていきます。やっと鎖が見えてきました。

登っている時は必死で気付かなかったけど、鹿の窓もちゃんと見えていた

鎖は太めでしっかりしており安心感ありました。掴んだ岩がポロっと剥がれたりもするので、ありがたく頼らせてもらいました。

ここから鹿の窓までの最後の登りが意外と長かったです。途中で一休みしながら登っていました。

鹿の窓をくぐったー

ここまで来ればあと少しといったところですが、まだ小ギャップが残っています。鎖がしっかり設置されていたため、下降でロープは出しませんでした。

小ギャップの下り。思ったより長い。

下ったらすぐに登り返し。登り方によっては一時的に鎖を離さないといけない体勢になるかもです。

小ギャップの登り返し。

この後はそれほど危ない箇所もなく、ひたすらルートのままに登っていきます。思ったより長いので気がはやります。

お昼前、無事、鋸岳頂上に到着!鋸の名に違わぬギザギザの稜線だった、近くに見えるのにずっと遠かった、それより何より暑かった!!台風本当に来るのか、天気良すぎ。

ここからがまた長いので、休憩もそこそこに下ります。ここからは、稜線を角兵衛のコルまで下り、角兵衛沢(ガレ沢)沿いに戸台川へ向かってひたすら下っていきます。

にしても、思ってたより数倍ガレガレで急でした。一歩足を出すごとに足元の石が流れ始めるわ、わりと大きい石も動き出すわ、足元に連動して頭上からも石が流れてくるわで。。。今回ここが一番つらかったです。行きのバスで何気なく見ていたあの下りのガレ沢ですね。(結構、長そうだったなあ)

永遠に続くガレ沢を前に。この時はまだ余裕をこいていた。

Kaさんはすいすい下りていくし、Koさんも何やかんや余裕そうだしで、一人、石雪崩に怯えるへっぴり腰の自分でした。とても申し訳なし。お二人に何度も励まされるなと思ったら、この時の自分は顔が死んでいたらしい・・・

精神的・体力的にかなりやられながら何とか樹林帯まで下りてきたら、何やら立派な岩壁が出てきました。ここが「大岩」のようです。この岩壁沿いに下りていくと、岩壁の麓にチョロチョロと水が出ている場所がありました。ここで水補充がてら休憩。

この時、小雨に降られましたが、水場がハングした岩の下にあったので、ちょうどいい雨宿り。今回、降られたのはこの数分のみでした。台風本当に(略)

岩壁の麓はお花畑が広がる。アサギマダラがちらほら。

ここからはガレ沢に比べれば下りやすくなりますが、ルートを見落としやすいところもあるので引き続き注意です。ガレ沢で時間をかけてしまい、夕方、やっと戸台川へ合流。

これまた延々と河原歩き。渡渉はめっちゃ冷たい。

最後はこんな時間にバスがあるわけなく、日が暮れた道路をとぼとぼ歩いて戸台口まで戻ってきました。因みに、先頭を歩いていたKaさんは、タヌキ2匹、鹿1匹に、何と、熊とも遭遇してました。この道路、森の仲間たちが多すぎる。

翌朝はテルマエ・ロマエみたいなお風呂で汗を流して帰ってきました。生き返ったー。そして、帰京後早速、台風7号の洗礼に遭いました。やっぱり来てたのね。

最後は思いのほか長丁場となってしまいましたが、山あり谷ありで、鋸岳とても楽しかったです。Kaさん、Koさん、ありがとうございました!ガレ場下り精進します!