2023/7/15~17 前穂北尾根

2023/7/15~17 前穂北尾根

こんにちは、Kuです。世間はもう晩夏というところですが、、、今年の『海の日』の3連休にKoさんと前穂高岳北尾根に行ってきました。
天気が良いのか悪いのかすっきりしないお天気予報でしたが、予備日も入れて3日間確保し、準備万端で夏の上高地に突入です。

計画では、1日目は涸沢で幕営し、2日目に北尾根から前穂高岳に登頂。奥穂高岳を越えてザイテングラードで涸沢へ戻り1泊。3日目、余裕があれば東陵から北穂高岳に登頂した後に上高地へ下山の予定でしたが…

どうも2日目の天気予報の雲行きが怪しい。霧一時雨の後、夕方から晴れという微妙な予報。しかも風も若干強そう。3日目がピーカン予報なのでなおさら微妙です。

1日目は事前情報の通りのどんより空。

2日目の予報天気だとルートを見失う危険がある、ただ、3日目朝出発だとその日中に上高地まで下山できない可能性あり…ということで、予定変更。2日目はテント装備を持って5.6のコルまで上がり、3日目に前穂高岳に登頂した後、そのまま岳沢経由で上高地に下ることに。

問題は、どうせ涸沢までと油断して適当に色々詰め込んできたこのザックとプラスαの水を背負って、果たして自分が北尾根を越えられるかということです・・・。

偵察中。5.6コルのペンキを発見。

無事5.6のコルが見えたところで1日目の偵察は終了。雪渓がしっかりしていたので、翌日はこちらを直登することにしました。同じく偵察中のパーティもちらほらいらっしゃいました。

1日目の夜は予報通り。涸沢のテント場も風が強く音がうるさかったですが、2日目はのんびり行程のため、睡眠時間は十分確保できました。

涸沢テント村の灯

7/16は朝からあいにくのどんより天気。本日、北尾根アタックのパーティーの方たちは、もうとっくに出発したようです。テントの撤収後、前日算出した2日分の水を持って雪渓をトボトボ登りました。腰に来るー。。。途中、翌日の偵察に来ているパーティの方たちともすれ違いました。

11時頃、5.6コル到着。2テン張るのは余裕なスペースとそれより少しだけ狭いスペースがありました。平だし岩でゴツゴツしてないし、1日目のテン場より快適かも?虫は多いです。

時々、涸沢方面から落石の音が響くも姿は見えず。

その後、翌日の行程も考えて5峰ピーク手前のスペースに移りました。こちらは、2テンがギリギリ張れるスペースとソロテンが張れそうなスペースがありました。翌日に備えて早めに就寝。

翌日登る4峰が眼前に迫る。

7/17 朝4時出発。まずは5峰の下り。わりとザレているので、朝一の起きぬけだとビビります。

いよいよ、遠目から見てもガレガレしている4峰の登り。稜線沿いによじ登っていくと、以外と岩はしっかりしていて快適でした。両手足を使って、どんどん高度を上げていきます。楽しいですが、自分+荷物を上げていくのは息が切れます。

4峰に陽が当たる。

4峰頂上手前は左側から巻き、クラック沿いに上っていきました。ほどなくして、4峰の頂上に。これから向かう3峰の全容が臨めました。それにしても、予報通りのピーカン。

4峰ピークから。これから向かう3峰。

4峰からは、先行パーティの姿が見えました。写真だと、ちょうど1ピッチ目の開始地点ですね。4峰から3・4のコルへの下りも、踏み跡はありましたが、ザレザレで歩きづらいので慎重に下りていきます。コルから少し登ると、先ほど見えた1ピッチ目の取り付きに到着。リングボルト2つで確保。

今回は1ピッチ目、2ピッチ目は繋げずに切っていきました。ということで、1ピッチ目は自分Ku、2ピッチ目はKoさん、3ピッチ目はKuとツルベで登っていきました。

1ピッチ目は左上していきましたが、途中、右側に支点らしい複数のハーケンを発見。少し降りてからハーケンの真下へ。

2ピッチ目下から。ここのビレイポイントはわりと狭く、荷物も多いので入れ替わるのが大変でした。自分はここからクライミングシューズに履き替えました。

2ピッチ目は最初がハーケン連打のチムニー。どうしてもザックで後ろに引っ張られるので、体を持ち上げるのに苦労しました。その後、大岩は左側に巻いて登りました。

2ピッチ目の大岩を左から巻き中。

3ピッチ目はまず、ガレたチムニーを登っていきます。傾斜は大したことないけど、がれがれでちょっと登りにくかったです。支点はチムニー入口右を使用しました。

チムニー内を上から見たところ

チムニーを登るとクラックが出てくるのですが、クラックに取り付くまでに少し段差があり、、、ザックが重くて乗り越えられず難儀。ザックを下ろして登る方法をとりました。

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3ピッチ目後半

3P目最後はこのクラックを登っていきます。所々、ハーケンも打たれており、足場もしっかりしていました。最後はちょうどいいところにあった残置?スリングを使い3P目終了点まで登り切り、このすぐ上の大岩で支点を構築しました。

その後も念のためロープを出しつつ3峰ピークへ向かいますが、ルートを探すのにかなりウロウロしてしまい時間がかかってしまいました。ルーファイに課題が残ります。。。やっとこさ3峰ピーク到着後は直下のちょうどいい大岩で確保。(この辺りから、カメラを取り出す(時間的な)精神的余裕がなくなる…GoProの電池も切れる)

3峰ピークへもう少し

3峰ピーク直下は開けているため、他パーティの方たちもそれぞれ良さそうな岩をチョイスして支点にしていました。3峰ピーク直下からは2峰ピークまで2ピッチですが、念のためロープは出していきました。

それほど難しい登りではないですが、ロープの流れを意識しないとどんどんロープが重くさせてしまいます。。。反省

2峰ピークからはコルまで10mほど懸垂下降。残置支点あり。後ろに2パーティお待たせしていたため余裕なし。自分の懸垂下降セットだけなら、今までで一番早かったと思います!ロープ回収後に絡ませてしまいましたが…。コルから頂上まではすぐです。

12時過ぎ、頂上到着。

前穂高岳頂上は2回目ですが、こんなに景色良かったのね。振り返ると2峰ピークや登ってきた北尾根が眺められました。どこから来たの〜?北尾根で〜す。なんて、やり取りもできました(笑)

感動もひとしおに、そろそろ良い時間がなので下山体勢に入ります。労をねぎらいあった北尾根パーティの方たちも、どんどん下山されていきます(汗)

が、ここに来て、疲れ&荷物の重さが押し寄せ、太陽も燦々と照りつけ始め(ずっと照ってたけど…)、自分たちの気力を奪っていきます。縦走のおじちゃん、おばちゃんたちにも軽快に抜かされていくこと、うん時間。やがて、後ろから来る人もいなくなりました。

天気だけは良い。明神が良く見えますね(現実逃避)

という状況なので、岳沢小屋のテント場で1泊することにしました。コースタイムをかなりオーバーして、やっとこさ岳沢小屋に到着。重太郎新道がこんなに長く感じたのは初めてです。

山小屋で買ったカップラーメンをかっ喰らったらすぐ就寝。翌日、上高地に下山しました。

朝、岳沢小屋のテラスから

帰りは上高地温泉ホテルまで歩きましたが、さすがにこの曜日・時間なので空いていました。やっと緊張の糸がほぐれました。

岳沢から下山すると、いつもしみじみと眺めてしまうスポット

荷物重くて大変でしたが、プラン変更からの稜線でのビバーク、荷物担いでの登攀など、はじめての経験でとても楽しかったです。ロープワーク、ルーファイ、体力等まだまだ課題は残りますが、やり遂げることができてとても良かったです。Koさん、ご一緒いただき、ありがとうございました!

(今度行くなら、絶対、空身で行く…)