丹沢の秘境ユーシンへ行ってきました。
寄大橋を6:00頃出発。橋を渡ってすぐのところが今回の登りルートの取付き。国土地理院の地形図には載っていないが、なぜか昭文社の山と高原地図には載っている。地形図を見てたぶんここらへんだろうと思いとりついてみたところそこは間違いで普通に秦野峠へつながる林道にぶつかってしまった。気を取り直して地形図を再読しなんとなく正しい尾根にのることができた。
尾根を詰めていくと作業経路に合流し、あとは檜岳山稜までずっと作業経路をたどっていく。途中に咲いていたミツマタがとても可愛らしい。
途中休憩の際にザックを開けたらファスナーがちぎれた。酒は熟成させると旨みが増すが人と道具は熟成させても廃れるだけだと考えさせられた。その後予定通り檜岳山頂より少し西に寄った辺りに出る。
檜岳山稜まできたら次は玄倉林道への下り。これが本日のメインディッシュと言っていい。予定通りいけば玄倉発電所の前辺りに出るはずだ。鹿柵を越え目的の尾根に取付く。鹿柵沿いに下り白ザレたヤセ尾根を下って行く。当然誰にも会うことはない。気持ちが良い。地形図と現在地を照らし合わせつつ時々GPSで答え合わせ。このGPSの安心感はたまらない。途中で山神経路と合流する。
ここも以前は歩かれていたのだろうがいまは道が崩壊し地図からも消えてしまっている。いつかここも歩いてみたいと思う。
尾根を下って行くと下方に発電所らしき建物が見えた。尾根の下りもそろそろクライマックスだ。ここからまっすぐ尾根を下りると大変なことになりそうなので適当に降りれそうなところから尾根を離れることにした。丹沢に限った話ではないと思うが尾根の末端というのはえてして険しいものだ。だいたいが崖になっているといってもいい。いま降りている尾根もそうだ。普通に降りれると思っていたが、すっころんだ。一度転ぶと警戒心が強まる。端的に言うとビビった。なのでロープを出し懸垂。堰堤の上に降りたつ。またこの堰堤というのが厄介だ。だいたい5mくらいの高さがある。両岸が緩ければなんてことはない。ただし切り立っていると話は別だ。今の状況もそうだ。両岸が切り立った堰堤の上に出てしまった。地形図には堰堤の記号なんてなかったのに。落ち着いて周りを観察すると堰堤に梯子がついていた。サビサビのクネクネのボロボロだ。荷重をかけたら折れてしまうんではないかと思わせる梯子。しかしここを降りる他ない。もし途中で梯子が折れてケガでもしようものならこんなところ誰が助けに来てくれるというのだろうか。
とりあえず無事に堰堤の下まで降りることができた。その先にもう一つ堰堤が出てきたがこれは左岸を普通に歩いて林道へ出ることができた。予定通り発電所前に出た。ここからは玄倉林道をのんびりユーシンロッジまで歩くだけだ。通行禁止になってから何年が経ったのだろうか。林道には落ち葉と岩や砂が堆積している。
誰もいない静かな林道を歩く。
本日の目的地であるユーシンロッジに着いた。
何とも言えない趣のある雰囲気だ。ラピュタを初めて見た時のパズーのような気持になった。外から中を眺め、小屋を1周し一通り堪能した後ユーシンロッジを離れる。帰りは一般登山道の雨山峠から帰る。県のホームページでは通行止めと表記されていたが普通に歩ける。少し拍子抜けした。ただ、所々に架けられた橋や桟道がなければとてもじゃないが歩けないと思う。ここを一般登山道として開拓した先人には頭が下がる。12時に寄大橋に到着。お疲れ様でした。
本日すれ違った人たち:人間5人、鹿2頭、カモシカ1頭
6:00寄大橋発→7:45檜岳山稜→9:00玄倉発電所前→9:45ユーシンロッジ→12:00寄大橋