2023/6/18 子持山獅子岩 右ルート

2023/6/18 子持山獅子岩 右ルート

こんにちは、Kuです。梅雨の合間に、子持山は獅子岩に、KaさんとKoさんとマルチピッチクライミングに行ってきました!

グレードが辛いと噂の獅子岩ですが、果たして「右ルート」とはどんなものなのか。

梅雨にも関わらず奇跡的に土日とも晴れてラッキーと思いきや、いきなり夏の暑さで辟易気味の日曜日、子持山にやってきました。数年前、一部道路の通行止めなどがあったようですが、当日は特に問題なく駐車場に到着。駐車場は沢沿いにあり涼しかったです。(実は7号橋駐車場に停めるはずが手前の6号橋で停めていたことに、後ほど気付くことになります…)

準備も早々に獅子岩に向かいましたが、何故か舗装された道の上を水が流れて沢のようになっていました。KaさんとKoさんのお2人ともこんなところ通ったっけっと不思議そうな顔をしていましたが、それもそのはず、獅子岩への最短ルートではなく稜線を周るルートに来てしまっていたようです…(計画書担当者&ナビの自分の責任です。ごめんなさい~)

そのまま稜線の景色を楽しむつもりで登り続けましたが、すぐに沢からも離れてしまい暑さが身に沁みてきました。せっかくの稜線だし、獅子岩がドーンと見渡せるかな~というのを励みに登ること1時間弱、取り付きへの分岐を発見しました。このルートに獅子岩がドーンと見える場所はありません。何かの反射板はドーンと見えます。

この標識を左に曲がって取りつきに向かいます。右は一般登山道。ルートを調べている時にも思いましたが「この先危険」の方にわざわざ行く趣味って何なんだろうなあ(笑)

左方面へトラバースしつつ、ガレた坂を直登すると、ちょうど「右ルート」の取りつきに到着しました。ただ、ここは「ノーマルルート」の取りつきへ向かう踏み跡がもう少し左側にあったので、それを登り岩の基部に着いてから右に巻いた方が良かったようです。

取りつきから見上げると、既に「ノーマルルート」に取り付いている1パーティがいらっしゃいました。当日は、この方たちと自分たちしか登っていなかったようです。梅雨の晴れ間なので混むかもと危惧してましたが、のんびり登れて良かったです。

「右ルート」を探していたところ、ボルトが思っていた場所よりも右に回り込んだ所にもあり、少しウロウロしてしまいました。ただ、どうも他の方のレコや写真から、この右に回り込んだ方のルートではなく、「ノーマルルート」から数メートル程度右のボルトのライン(上写真)が「右ルート」で正解のようでした。予習って大事。「ノーマルルート」とそれほど離れてはいなかったので、途中までは「ノーマルルート」を横目に登ることになります。

ルートも無事見つかったので、早速、準備して登り始めます。今回は空身で登り、懸垂で取りつきまで戻ってくることにしました。ただし、ルートが長いので食料や水などを自分のザックに入れ、フォローの人が交代で背負っていきます。暑さに備えて水を多めに入れておいたのですが、本当に良かったです。途中、干からびるところでした。

1ピッチ目はKoさんがリード。今回1Pと2Pはつなげてません。

5.8にしては辛いかも。早速、獅子岩グレードの洗礼です・・・しょっぱなから高度感ありますね!

今日一発目なので自分はただただ緊張(しています)。手足のスタンスはあるので慎重に。

2ピッチ目は自分がリードです。

場面は飛んでリードビレイ中

短いけどもリードで緊張しましたが、手、足ともスタンスはしっかりしているので慎重に登りました。

3ピッチ目はKaさんリード。

真上に見える終了点に向かうと思いきや、ルートは右のブッシュへ回り込んで行きます。逆層で持ちにくい箇所もありますが、ブッシュまで行ってしまえば、あとは3ピッチ目終了点までは問題ありません。岩を回りこむせいか、ちょっと声は聞き取りづらかったです。

3ピッチ目終了点はこんな感じ。風が遮られてしまい暑かったです。

4ピッチ目リードはKoさん。登り始めてすぐ薄めのハング超え。

それから少し登ったあと、終了点の手前でも左から右手を大きく伸ばしてホールドを掴んで回り込むところがあります。高度感抜群。ドキドキですが、ちょっとボルダーチックな楽しさがありました。

リーチのあるKaさんはやすやすとホールドを掴まれてましたが、手足の短い自分はボルトを足場にしてぎりぎりでした・・・!

ここの終了点からは、左にドーンと見える岩が迫ってくるようで、すごい迫力でした。

その後、5ピッチ目が今回の右ルートの核心。Koさんにリードして頂きました。ここもハング越えの後に持ち手のほぼないスラブを直登する箇所があり、グレードは5.9+(獅子岩グレード)とのことです。また、下からクライマーが見えづらいため、ビレイヤーにも(Kaさんのような)繊細な気遣いが必要です!

5ピッチ目の核心部です。下から見るとすべすべフェイス。

上から見てもすべすべフェイス。

ここは少し左に行くとフレークになっている箇所があるのでそこからも登れますが、ランナウトしてしまいます。正規ルートはボルト沿いに直登のようです。しかも終了点手前の最後の最後でまた手がなくなる。。。自分は安全を期して、A0しながら直登しましたが、少し左に足を延ばしたところヌメっと滑ったときは焦りました。

左のルートを探るKaさん。高度感抜群です。

何とか3人とも登り切ってほっと一息。すると、ここまでの5ピッチ、クライミングシューズで締め付けられた足と、ハーネスでセルフ加重を一心に受け続ける腰が急激に辛くなってきました…(笑)早く地面に立ちたい、クライミングシューズ脱ぎたい、お水飲みたい。

ということで、6ピッチ目はKaさんが休憩もそこそこに5ピッチ目終了点からそのまま続けて登り、藪の急登にフィックスを張ってくれました。ここを越えると獅子岩の肩のテラス。一般登山道と合流です。

無事、登山道に合流

久しぶりの地面でクライミングシューズを脱いでほっと休憩。それにしても暑い日です。そろそろ水も尽きてきました、、、

最後の7ピッチ目は自分Ku。

ちょっと癖のある登山道の鉄梯子も隣にちゃんとありますが、ここはあえて岩を登ることに。ここまでで一番短く簡単なルートですが、中間支点がほぼ取れずちょっと緊張しました。終了点もなかったので、はしごの固定金具を使わせてもらいました。ここを超えると獅子岩頂上です。

14:45 獅子岩登頂!景色がとっても良かったですー!来るときに通ってきた高速道路も見えました。車中からでも双眼鏡で観察してれば、岩を登っている姿が見えるかもですね!

結局、獅子岩の全容は高速道路から遠くにちらっと見えた程度ですが、標高差120mもある一枚岩を下から登り切れて充実感ありました。「右ルート」もグレードは辛めでしたが、全般的にボルトがしっかりしているので、中間支点を取りつつ安心して登ることができました。

さて、頂上でゆっくりしたいのはやまやまですが、時間もいい時間だし、日差しを遮るものもなし、、、水も尽きてきたのでさっさと下ります。鉄梯子の下りは割と怖かったです。

獅子岩の下降は、登山道の合流地帯を左に巻いたところに大きな木があったので、その残置スリングを支点に、「ノーマルルート」の方へ懸垂下降しました。今日は空いていて良かったです。

一度、ノーマルルートの最終ピッチ開始地点に降りてから、支点で再度懸垂下降。ここからは、ダブルロープ50m連結でほぼいっぱい伸ばし「ノーマルルート」の3ピッチ目のテラスまで下りました。そこからは「右ルート」へ向かうトラロープがあったのですが、トラバースもなかなか大変そうなので、そのままノーマルルートを下降し、良きところを見定めながら「右ルート」の取りつき地点へ向かうことに。

ロープほどき作業中

そろそろと下りながら、途中で絡まったロープを落としてみると地面まで届きました。そのまま下りていくと、右下に残置していった荷物も発見!これ幸いにと右よりに降りていき、無事出発地点へ帰ってくることができました。残置したペットボトルの水は飲み切ってやりました。

帰りは間違わないように登山道入り口への最短ルートの沢沿いの道で下山。来るときには見れなかった屏風岩を見ることができました。火山の影響でしょうか、とても迫力のある岩です。マグマってすごい。奇岩、怪岩の名にふさわしいです。

その後まもなく舗装路へ合流し、駐車場へ到着したのですが、車がなーい。。。どうも最初の時点で6号橋駐車場と7号橋駐車場を間違えていたようです。水がほぼ尽きたKaさんはしょんぼりされてました。GPSを確認し、そのまま下っていけば10分ほどで車を停めた地点まで着けることが分かり一安心。(重ね重ね、ごめんなさい~)

帰りはKaさんおすすめのスカイテルメリゾートのお風呂に寄って汗を流して帰ってきました。

暑さにも獅子岩グレードにもやられましたが、大きな1枚岩を下から頂上まで登りきることができ、とても充実したクライミングでした。Koさん、Kaさん、ありがとうございました~。