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11/30 城ヶ崎・シーサイド

日本でも、潮騒をバックにクライミングができるエリアはそう多くはない。その代表格が城ヶ崎であることは論を俟たないだろう。赤本(もはや古文書ですね(笑))には「国内のレベルアップに大きく貢献したシークリフ」と謳われ、日本のフリークライミングの創世期から、クライミング界をリードしてきた岩場の一つだ。今も何ら色褪せることなく輝き続ける城ヶ崎・シーサイドエリアに、SACのHさん、Sさんと共に訪れた。Hさん、Sさんは初のシーサイド、自身にとっては十数年ぶり(もはや何年か定かではない。。。)のシーサイドだ。

早朝に横浜を出発、かつて足繁く通った伊豆の海辺をくねる道、晴天の海は変わらず深く青い。
十数年ぶりに訪れたシーサイドエリアは、平日にもかかわらず結構人がいる。黒々とした岩壁・・・パンⅠ、パンⅡ、ピスタチオ、チリコンカーン、サザンクロス、シンデレラボーイ、トラの穴、アイロンヘッド、サーカス・・・かつて一喜一憂したルートを、懐かしい戦友に会うような気持ちで見上げる。相変わらずめちゃくちゃ被って厳つい顔をしていやがる。
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長いブランクで今やビギナーレベルの僕には、こんなルートに取り付く実力がある筈もなく、、、ティンカーベル、ピーターパン、海賊フックと、シーサイドの入門ルートに取り付く。HさんがナイスファイトでティンカーベルをOS。城ヶ崎独特の皿ホールド、前傾壁、スラブ、長いルート。かつて完登した入門ルートとはいえ、今の自分には決して易しくはない。パンプや少しのランナウトに負けてすぐに日和ってしまう。てんしょん。。。

フリークライミングを再開して本格的な外の岩場は今回で2回目だが、今の自分にはルートへの執着心が決定的に欠けているようだ。何としても登ってやるという気合いがない。そのことがすぐに日和ってしまう原因なのだろう。

山、アルパイン、沢なら季節、天気、パートナーなどによって様々な表情を見せてくれる。あのルートにまた行こう!と思う。しかし、フリーのルートはコンディションの違いこそあれ、良くも悪くもいつ登っても「同じ」だ。一度の完登したルートを再登しても、文字通りの「再登」でしかない。それ以上でもそれ以下でもないのだ。
かつて完登したルートの「再登」を積み重ねても、その先にある「未登ルートの完登」は、今の自分にはとてつもなく果てしなく遠い。そこまでがんばるのか。。。。。。?

ルーズガールを落ちる寸前で粘りに粘って完登した女性がいた。気合満点だ!あの気合い、あの気合いが今の自分に必要なのだ。やっぱりフリークライミングはメンタルがとても重要なんだなぁ・・・改めてつくづく思う。
技術力、筋力アップもさることながら、メンタルの切り替え、鍛え直し、モチベーションアップが先決らしい。。。

クライミングだけではない。シーサイドのもう一つの楽しみは ” 潮騒を聞きながら日向ぼっこしてお昼寝♪ ” こう思っている人は僕だけではないはず(笑)。シーサイドは特に日当たりがよく、お天気の良い日は真冬でもとても暖かい。冬のクライミングエリアでも、一二を争う日向ぼっこのメッカだと思う。さすが伊豆だ。日向ぼっこをしていると、甲羅乾しをする亀の気持ちがわかる気がする(笑)。

シーサイドから見る晴れ渡った海は地球の大きさを感じさせてくれる。青い海に心を解き放ち、からっぽにする。からっぽが心地よい。山の風景も心をからっぽにしてくれるが、海のそれはまた一味違う。なんだか全てを包み込む海の懐の深さを感じる。
ゆるりとコーヒーを飲みながら、青い海をぼーっとみつめつづけた。
寄せては返す波音とともに時間がゆっくりと流れた。
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お昼寝・・・まどろみの中で思い出す。シーサイド・・・ここはシーサイドなのだ。ゆるりとばかりはしていられない!気持ちを切り替え、もう一度気持ちを奮い立たせる。ピーターパン、海賊フック・・・前腕はぱんぱん、乳酸でお腹一杯だ。うっ…やっぱり気力がない…てんしょんっ…(汗)
夢中で岩と対峙しているうちに、海の輝きが徐々に赤みを帯びていった。

海で見る夕日はきれいだ。
シーサイドから見る夕日は美しい。でも、同時に何かもの寂しさを感じてしまう。
海の輝きが藍さを加え、そして、その藍みが深くなっていく。
もう一度だけ厳つい顔の戦友を見上げて、藍さを深めていく海と潮騒を後にした。
「いつかまた対戦しようなっ!」
でも、、、その前にまずはピーターパンと海賊フックかwww

KZ