北岳バットレス第4尾根に私FとNABさんとで行って来ました!
お盆休みウィークの後半のため、今回の作戦は土曜日にいち早く行動を開始して、その日のうちに肩の小屋まで抜けるものです。
人気ルートのため、日曜の早朝は激混みするようですが、土曜日の遅い時間ならば空いていると読んだものです。
結果は読み通り、第4尾根については私たちパーティ―のみの貸し切りでした!ヘッテン残業もせずに、肩の小屋のテント場に到着
することが出来ました!
大樺沢ルートを経て、二又を経てC沢D沢付近に到着!
一般登山道からCD沢中間尾根までに迷っている方が多いようなので、下調べをシッカリしていきました。問題なく通過。下の写真の赤矢印が八本歯のコルに向かう一般登山道。涸沢の青丸部分がD沢。黄色丸の水流のある所がC沢です。二又から右側に草を見ながらしばらく歩いていると、草が切れて沢が出てくる場所がバットレス沢。バットレス沢には大岩もあるので分かりやすい。ここから5分ほど歩いて右側に水流がある沢が見えたらC沢。C沢とD沢は真横で隣り合っています。
さらにD沢付近にはペイントされたこんな岩もあります。下部岩壁取り付きの踏み後に一般登山者が入り込まないように「×マーク」を書いた岩などもあり、ここから下部岩壁に向かうことがよくわかります。下部岩壁に向かうにはD沢の右岸を20メートルほど登るとD沢の左岸にトラバースするふみ跡が見え、その踏み後を辿ると中間尾根に向かうことができます。
CD沢中間尾根を登って行き、開けたお花畑に出るとバットレスが丸見えになります。今日は天気もサイコー♪
落石を避けるために当初は5尾根支稜を登るつもりでしたが、誰もいないのでDガリー大滝を登ってみました。
噂通り1ピッチ目の最初が岩がつるつるで悪しっ!
Dガリー大滝2ピッチ目を登っている私です。1ピッチ目はトポ通り40m位の場所で支点を取りました。2ピッチ目は大滝の落ち口と思われる付近でNABさんがピッチを切りましたが、20mくらいしか伸びていない。トポだと2ピッチ目はもう20m伸びるはずでした。しかし、この2ピッチ目の終了点は安定している様子でした。もうワンピッチあると思い、正面の岩壁を登り始めました。上部にはほかの方のブログに写っていたような横断バンドのハングが見えます。しかし、この岩の登りが残置ハーケンも少なく、あまり安定していません。下のNABさんからは「2ピッチ目終了点の右上バンド付近に支点が見える」とのことであったので、「ピラミッドフェースに入ってしまったか?」と思い、懸垂下降で2ピッチ目終了点に戻りました。
2ピッチ目終了点から右上しつつ10m程上がり、バンドのような部分をトラバースすると残置ハーケン(リングボルトだっけな?)があり、1.5m程のギャップを下るとその先に支点にロープを掛けた支点が見つかる。さらに5mほど行くとバンドの足元の木で支点が取れる。下図の紫丸がDガリー大滝の2ピッチ目終了点付近、黄色丸がトラバースの際に確保してもらった場所。緑丸がトラバース上のギャップ部分。ギャップの下りは岩に設置してあるお助けスリングの力を借りないと怖い。しかし、このお助けスリングはボロボロなのであんまり信用もできない。念のため長めのスリングを自分で掛けて通過しても良いかもしれません。
ところで、後日他の方のブログを見て思いましたが、やはりこのトラバースは皆さんが通っているものと違うと思います。理由はDガリー大滝2ピッチ目終了後にトポにあるような草付きを歩いたりはしなかったこと、私が3ピッチ目で登ろうとしていた岩の左奥にルンゼのようなものが見えたので、これが恐らく正規のルートであると思われます。下図の赤丸部分が5尾根支稜から合流するルートで、そのルンゼが「コケの生えたルンゼ」などと5尾根支稜を登った人が言っている場所ではないでしょうか。しかし、私たちが通ったバンドはそれほど悪くないので、ここをルートとして考えても良いものと思います。
順序逆になりますが、私たちが通った横断バンドの進行方向の写真。赤丸部分がギャップ部分。
なんやかんやで、トラバース後はふみ跡を辿り、Cガリーの右岸のガレ場を慎重に歩き、ヒドゥンスラブに到着。
んで、4尾根取りつき部分でお昼ご飯◎天気サイコー、貸し切りサイコー!
1ピッチ目のつるつるクラックはNABさんにお願い。
3ピッチ目の私のセカンド。
で、4ピッチ目「フェースからリッジ30m Ⅲ級」と思いきや、出だしのフェースが悪い(下の写真)。「本当にこれでⅢ級か?」と思っていたら、到達地点はマッチ箱のコルの懸垂地点でした。という事で、4ピッチ目は「三角形の垂壁~緩傾斜のリッジ Ⅳ+級」でした。トポの4ピッチ分を3ピッチで来てしまっていたようです。
マッチ箱でビレイ。セカンドのNABさんを撮影。
マッチ箱の懸垂後のⅣ級ピッチはNABさんに依頼。確保しているとこれから向かう城塞ハングが「こちらに来い」と誘うかのように日暈を抱える幻想的な景色が見えた♪
枯れ木テラスに至るピッチ。NABさんセカンド。ここら辺の高度感にお尻がムズムズする。
はぁっい!城塞ハング手前のトラバースと、核心の城塞ハングの写真は大したものがないのでスルー!ここは言葉で捕捉。
手前のトラバースはNABさんリード。待ってる間崩落壁面を見ているとカナリ不安になったが、トラバースは手掛かりもあり、フリクションも効くので問題なし。
城塞ハングは確かに優しくはないけれども、左右の岩をよく探せば手掛かりは見つかる。片方の壁にこだわり過ぎないように。
で、無事に終了点に到着し、登山靴に履き替えて頂上までの踏み後を追う。
夕闇迫るが、夕日が素晴らしい!どういう仕組みか分からないが、富士山の方向に富士山の影がっ!!(違うのかな?)太陽は後ろにあるんだが。。
夕日どーんっ!!!うっとり♡
頂上ドーン!NABさん、ありがとうございました!!!
F
<コースタイム>
8月18日 広河原6:07 → CD沢出合い9:00 → 下部岩壁取り付き9:55 → 4尾根取り付き13:02 → 4尾根終了18:00 → 肩の小屋テント場19:00
8月19日 肩の小屋テント場 4:00 → 広河原7:00