「未開のルートを開拓したい!」なんて高い志を持ってクライミングを始めたわけではない。
一般縦走登山を行っているときに、実際に山で見るクライマーや、TVで見る有名な登山家を尊敬のまなざしで見ていた。いま改めて考えると「技術と道具を駆使して山中を自由に歩む」というところに憧れていたのだと思う。
12台のフリールートをほいほい登れるわけではないし、5級以上のアルパインルートを登ったこともない。海外登攀をしたこともないけども、これまで自分なりにいくつかの登攀をしてきた。
スポートのフリークライミングやマルチピッチルートには当然しっかりしたボルトが打ち込まれていることが多い。アルパインルートでも沢でも有名なルートにはしっかりした確保支点が設置されている場合がほとんどだし、中間支点ですらボルトが打ち込まれている場合もある。
そんなルートばかり登っていると、ふと自分が残置物ばかりを追いかけていることに気が付く。
・「壁の弱点を突く」ということは考えず、無意識に次の残置ハーケンを探してしまっている。
・道間違いの撤退に使った支点なのかもしれないのに人工物をみて「ルートから外れていない」と安心する。
というような。
いつのまにか「技術と道具を駆使して山中を自由に歩む」ということからかけ離れて、「一般登山道で道標を頼りに進む」ということと同じことをしているのではないかとふと考えた。
そんなことが頭をよぎるなかでも引き続きいろいろな登攀をしているとトラディショナルルートはなんだか楽しい。自分でカムをセットする場所を決めるからだと思う。
沢の滝登りもやたら楽しい。沢の岩はより不安定だから水流にさらされて岩の形は変化しやすいし、過去に登攀した人のハーケンなんかは劣化してスコーンのようにホロっと崩壊することもある。だから自分でハーケンを打って支点を取らなくてはいけない。もちろん「山中にハーケンやリングボルトをバンバン打ち込んで良い」とは考えていない。自然への負担を最小限にするために、できるだけ打ち込んだものを回収するのは当然である。打つ場所を最低限にするのも当然である。
トラディショナルルートも沢の滝登りも楽しい理由はまさに「技術と道具を駆使して山中を自由に歩む」ということをやっているからだと思う。自分で頭を使いながら、道具を駆使して、岩の弱点を突いていく。数ある選択肢の中からリスクとリターンを考えながら最適解を見つけていく、これが危険で怖いけども楽しくもある理由だと思う。
ということで、今回は序文長めでした!
関東近郊の沢にて、泳ぎはじめ&「滝登りというスパイス」を加えた山行をしてきました!
メンバーはNaiさん、Oさん、私Fの3名です。
やはり夏の泳ぎは良い🏊

チョックストーンの登りも良いっ!

淵も良しっ💛

水流登りも楽しっ!

水中から手掛かりを探すのも泳ぎ沢ならでは。


水中眼鏡セット!


ほぼプールといえる広い釜

サンゴ礁はないけど、ラグーンの様な釜を持つこの滝に、トランプ氏に言わせれば「One Big Beautiful Line」を刻むのが本日のスパイス!(「先駆者」いるかもですがね。)

取り付ける場所を探す。

Oさんに水中にてビレイしていただき前進する。

おかげさまで突破できました!OさんとNaiさんも続いて上がります。


滝登攀を終えて少し進んで脱渓。
暑い夏の泳ぎに滝登攀とたっぷり楽しめた一日でした!
Naiさん、Oさん、ありがとうございましたっ!
F