2021/4/23-25 鹿島槍ヶ岳天狗尾根+湯川

鹿島槍ヶ岳天狗尾根に行ってきました。
4年前に天狗の鼻まで行って雪で敗退して以来、計画が流れたのも含めて4回目?の挑戦でようやく登れました。

これまで3月に計画してましたが、なかなか好天が続くことは少なく、今回は4月下旬にしました。メンバーはFさんとシンの2人。
前夜に大谷原まで行くと、車は私達だけでした。

翌朝は5:20に出発、橋を渡って右手に進み、本流にかけられた鉄の橋を渡ったところまでは良かったのですが、支流の大ゴ沢は橋が無く、土木工事を開始。Fさんは先に無事に渡れましたが、続く私は杖代わりにした枝の強度が足りずに途中で折れてバランスを崩し、右半身が水没…出だしから先が思いやられます。

P4233288

しばらく左岸を進み、取水口を越えると荒沢出合で、中途半端に雪が残っています。

P4233300

3月にはスノーブリッジで渡れましたが、今回は渡渉を強いられました。1回目は右岸から左岸へ飛び石伝いに。次は左岸のへつりでここも仮設の橋をかけて進みましたが、その先にスラブ状の岩が控えていて、冬靴ではなかなか難しい。Fさんはうまく上がりましたが、私は手こずっているうちに足元の木が流されて今度は右足が水没。足場がなくなってしまったので、Fさんが”ファイト一発”方式で引き上げてくれました。ありがとうございました!

P4233306

越えた先もまだ渡渉が必要そうで、右手の天狗尾根の斜面を見上げればなんとか登れるのでは? 2度の水没でこれ以上の渡渉が嫌になっていたので直登を試みましたが、”実際に登ってみると思ったより急”というありがちなパターンで、木を頼りに登る悪い沢のツメのような登りを1時間ほど続けてようやく天狗尾根の末端に上がりました。

少し登ると雪が出てきました。先週の雪の後は私達が初めてのようで、ノートレースでした。

P4233316

傾斜が急になる手前でアイゼン、ハーネス類を装着。

P4233324

第1クーロワールは雪はつながっているものの小さなシュルンドがあり、雪も緩んでいるので念のためロープを出しました。

P4230015

気付けば尾根上の雪は2mほどになってました。ナイフリッジやトラバースでも念のためロープを出して、前方に今日の目的地の天狗の鼻と、その下の第2クーロワールが見えてきました。

P4233367

第2クーロワールも特に出だしは結構な急登で、疲れも出ていたのでスタカット5Pで17:30にようやく天狗の鼻に到着。12時間行動で2人ともくたくた。簡単に整地してテントを設営しました。ミスコミュニケーションでフライを持ってきませんでしたが、前向きに軽量化ということで(フライで良かった…)。雪を融かして明日の分の水を作り、珍しく食欲がなく夕食が進まないFさんの様子を心配しつつ、20:30ごろ就寝。並走する東尾根にも人の気配は見られなかったので、おそらくこの夜は鹿島槍に私達2人だけだったと思われます。

P4233378

翌朝は4時に起床。Fさんの食欲は復活していて、ソーセージ入り棒ラーメンという適当な朝食もしっかり平らげてくれました。

P4243387

テントを撤収して、5:15に出発。天気は今日も良く、目指すルートもくっきり見えています。今度こそ登れるか?

P4243389

まずは天狗の鼻から最低コルへクライムダウン。その先のリッジへ上がるか左下から巻くか迷いましたが、ここはリッジを選択しました。

P4240034

1か所キノコ雪を越えるところでロープを出し、Fさんがハイマツとスノーバーでランナーを取りつつ、左寄りを切り崩して突破。後は時間短縮でロープは出しませんでしたが、結構急で気の抜けないところもあります。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ところで、昨日から私のアンチスノープレートが経年劣化で割れてきていたのですが、日射で雪が緩んでくるとたちまち雪ダンゴがつき始めました。休憩時に応急処置をググってみると、ダクトテープで代用できるとのこと。なるほど!

P4243410

効果は絶大で、ひらひら動くためか、正規のアンチスノープレートよりつかないかも。ダクトテープは必携ですね(それ以前にきちんと道具のチェックをしておきましょう…)。

さらに登っていくと、荒沢の頭の下の岩場が見えてきました。手前の岩は左手から巻いて取り付きへ。

P4243411

壁に突き当たって、ルートは右手に少し下りつつトラバースして、灌木の所から左上するようです。まず私が灌木の所まで行って一旦切り、Fさんが1P目をリード。ほとんど残置ピンはなく、灌木でランナーを取りながら、岩溝はランアウトして越えてから右上に切り返します(ここで切っているパーティーもいるようです)。

P4243414

その上の雪面を15mほど進むと再び岩に突き当たり、ハーケンを2本打って確保支点を作ってくれてました(40m)。

P4243415

2P目は私がリード、Fさんのいる所から岩を左上へ。ホールドはしっかりしていて、5mほどで上の雪面に抜けます。抜けたところのハイマツにも残置スリングがありましたが、さらに15mほど登ると突き当りの岩にペツルの支点が作られていました(Ⅲ/20m)。Fさんを迎えて、しばらく合掌。

P4243421

これで登攀は終わりかと思ったら、その先の急な雪壁も気の抜けないところで、慎重に何度も蹴り込んでステップを刻んで登り、かなりふくらはぎにきました。太陽の周りには日暈が出てました。

P4240048

後は北峰に向かいますが、まだ意外と長い! 右手はかなり大きな雪庇が出来ていて要注意です。

P4243422

最後はだんだん細くなるリッジを登って…

P4243431

ようやく登頂!12:30でした。

P4243438

久しぶりに大きな達成感を感じる山頂でした。

P4240058

天気は晴れと高曇りを繰り返す感じで、風も弱く、最高の天候だったと思います。

しばらく休憩した後、下山開始。下山は南峰を越えてもう1泊してから赤岩尾根を下るか、雪の状態が良ければ北俣本谷を下りることを考えていましたが、安定してそうだったので北俣本谷を選びました。2日間で数回、融雪による岩雪崩が雪崩を誘発するのを見ていたので、急峻な南峰の壁からは流心の反対側を選んで下りていきました。

P4243441

傾斜と雪質によって前向きに下りたり後ろ向きにクライムダウンしたりしつつ、延々と下降を続けます。傾斜が落ちてからも、あちこちに雪で隠れたシュルンドが落とし穴のように潜んでいたり、股まで沈む深雪から足を引き抜きながら進んだり。

P4243442

傾斜がほぼなくなるところまで約1時間半。長かった…あらためて鹿島槍の大きさを感じました。

P4243447

いくつもの大きな堰堤を横から巻いてかわし、林道に入ってひたすら歩き続け、16:40に大谷原に戻ってきました。

天狗尾根は3月より4月の方が易しいのかと思っていましたが、そうでもないという感想でした。渡渉は想定内ですが、緩くて崩壊しつつある雪はかなり気を遣いました。ノートレースで私達以外に誰もいないという状況も影響していたかもしれません。Fさん、ありがとうございました。おかげさまで無事に登れました。

【行程】
4/23(金)快晴
5:15大谷原→6:30荒沢出合→8:00天狗尾根→12:00第1クーロワール→15:20第2クーロワール→17:40天狗の鼻
4/24(土)晴れ時々曇り
5:15天狗の鼻→9:00岩場取り付き→10:20終了点→12:30鹿島槍ヶ岳北峰→16:40大谷原

<おまけの湯川編>

1日早く下りられたので、3日目は湯川の岩場に行ってみました。2人とも初めて来ましたが、すっきりした長いクラックに圧倒されます。P4253452

まずは看板ルートの1つ、ひび割れのようなギザギザクラックのコークスクリュー(5.9or5.10a)に挑戦。ちょうどハンドサイズで登りやすいのですが、カムをセットしながらのリードは無駄に力が入ってしまって、何度もテンションをかけながらどうにかトップアウト。同じくらいの幅のクラックが続き、すぐにカムが足りなくなってしまいます。

P4253453 P4253454

続いて、デゲンナー(5.8)、デゲンナーの裏側(左側)の無名ルート(5.8?)も登りましたが、やはり何度も途中でテンションしつつトップアウト。まだまだ練習が必要だということが分かったところで、12時過ぎに雨も降ってきたので撤収。

充実した3日間でした。

シン