2022/11/5~11/6 遭難対策訓練

2022/11/5~11/6 遭難対策訓練

毎年恒例の遭難対策訓練を2日間にわたって開催しました。
参加者は最近入会された3名を含む、約11~14名です。私 I が報告します。
今年度の重点テーマは「負傷事故が発生してしまった場合にどう対応するか」です。

11月5日(土):机上講習
・ファーストエイド
・搬送(道具なし)
・会ガイドラインの確認
・事故事例の共有

11月6日(日):実地講習@鷹取山
・懸垂下降
・仮固定と登り返し
・確保体勢からの離脱
・介助懸垂
・搬送

~1日目~

午前は会メンバーであり、本職のM先生による講座です。
「救急隊が到着するまでや病院に搬送されるまでの間に症状の悪化を防ぐために、現場でできること」を実演を交えながら講義いただきました。

具体的には、骨折、捻挫、止血、意識障害、熱中症、低体温症について、応急処置の基本「RICE」をはじめとしたそれぞれの対処法を学びました。

・三角巾による固定

・捻挫のテーピング(スターアップ・ヒールロック・フィギュアエイト)
捻挫した人に歩いてもらうケースで使います。思った以上にテープを消費しました。

・MYファーストエイドキットを公開
他の方が持ってきているものを見るのはとても勉強になります。(穴の開いたペットボトルのふたや、予備ライト、ストッキングなど)
帰ったら、早速買い物リストに追加ですね!

午後は座学
会ガイドラインの確認や事故事例からのディスカッションを行いました。

~2日目~

2日目は実地訓練です。日差しが暖かで気持ちの良い天気になりました。

前半は、基本の訓練を行い(懸垂下降、仮固定、登り返し)
後半は、①救助活動の開始②救助可能な場所への要救護者の移動を目的として、確保体勢からの離脱、介助懸垂、搬送の練習を行いました。

まずは懸垂下降から。
バックアップの取り方の考え方を再確認しました。

仮固定と登り返し

この後、ビレイデバイスを紛失し代わりにカラビナで懸垂下降を行うケースを想定して
ムンターヒッチを練習しました。

続いて、確保体勢からの離脱です。
セカンドのビレイ中にセカンドを救助に行かなければならなくなったケース想定です。
マリナーズヒッチと、セカンドビレイのロープを緩める練習をしました。

介助懸垂
自力で懸垂下降できない要介助者がテラスの上におり、懸垂下降で一緒に下りるケース想定です。
今回初めてやりましたが、位置関係の調整やバランスとりながら下ろす操作が難しかったです。

場所を岩エリアから広場に移し、搬送の訓練をしました。
後ろのギャラリーからの視線を感じます。

搬送方法はロープや雨具を使った方法などいくつか試しましたが、ザックを使った方法が最も安定していました。

・搬送(ザックを使用)

実際に搬送が必要になった場合はシビアな状況ですが、
本日は訓練ということもあり、皆さん楽しそうです。Fさん持ちあげられるかな?

・搬送(ザックを連結して使用)

最後に冬シーズンに向けて、ビーコンの動作確認を行いました。
時間も夕方になり訓練終了です。

とても充実した2日間なりました。
訓練で学んだことが役に立つ機会がないのが一番ですが、
いざというときに対応できるように、装備面と知識の引き出しの双方を拡充していきたいと思います。