2019年3月16日 阿弥陀岳北西稜 アルパインクライミング 

2019年3月16日 阿弥陀岳北西稜 アルパインクライミング 

昨冬から行きたいと思っていた阿弥陀岳北西稜にやっと行くことが出来ました!

senさんにお付き合いいただき、私Fとの2名での山行です。

天気予報は生憎の二つ玉低気圧のサンドイッチ状態。しかし一縷の望みを持って現地に向かったところ、予想よりも低気圧の勢力が弱まったようであり、比較的落ち着いた天気になりそう。

美濃戸口から美濃戸までの林道は思っていたほど雪もなく、車で上がれました。さすが3月。雪解けまじかか!1時ころに美濃戸に到着!→仮眠→5時出発。

 

北西稜の分岐に向かうが「あれっ雪多い???」。赤岳鉱泉のブログから事前に得た情報ではこの週の月曜日にしっかり降雪があり積雪した模様⛄

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2月10日に北西稜の取り付きまでの道は下見をしておいたので、南沢から分岐する北西稜への入り口はすぐに発見。しかっっっしっ!!!No trace No life。そして雪たっぷり、ワカン無し。やばっ。

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①そしてラッセル

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②まだラッセル

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③もすこしラッセル

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④でもラッセル

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⑤山頂到着!!!

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ふざけました。すみません。ラッセル後はちゃんと登攀もしてきました。しかし、「腰までラッセル」、ところにより一時「胸までラッセル」の樹林帯でかなりの体力を消耗しました。下見の時は1時間で分岐から目印の露岩まで上がることができましたが、今回は2時間かかりました。樹林帯の尾根筋にて右側から登ってくる踏み跡(先行パーティーのもの。私たちは尾根の左側から登ってきた。)と合流したので、そのトレースを追う事で多少歩きが楽になりました。しかし、樹林帯のラッセルはハードだった。下の写真は樹林帯を抜けて、目印の露岩の上部を歩いているところ。天気はまだそれほど荒れていません。北西稜が目の前に見えた!

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1ピッチ目終了点から歩いてきたリッジ方面。リッジでもリッジの右側でも歩きやすい方を歩けばよいと思います。人によってはロープも出さないようですが、雪の付き方が不安定だったのでロープを出しました。小ピークがいやらしいといろいろな報告書に記載されていますが、今回も雪の付き方が不安定で足元か崩れるのではないかとびくびくしながら歩きました。雪がなければきっと大した問題なし。ちなみに中間にボルトがあるので、私たちはそのボルトで1回切って2ピッチで登りました。

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2ピッチ目。1ピッチ目終了点から右のバンドを歩く部分。トラバースが苦手なのでここもそれなりに怖かったです。

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3ピッチ目。そろそろ阿弥陀北西稜の本領が発揮されてくる部分。多くの報告にある様に「見た目よりも悪い」。最初は私のリードで途中まで行きましたが、ヌンチャク不足であり、中間で1ピッチ切りました。その先はsenさんにトップをやってもらい上部岩壁の取り付きに到着しました。

3ピッチ目もどのような条件でも悪いのでしょうが、今回の雪は岩に積もったばかりでアイゼンの歯が効くような代物でもなく、かといって岩自体も中途半端に氷が張っているので、アイゼンの爪を置ける適切な場所が全く分かりませんでした。ガバも無いので、ピッケルの先っぽを草付きと思われる部分や岩のエッジに掛けて腕力で登って行きました。

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3ピッチ目の中間でピッチを切った部分からフォローのsenさんを撮影。

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中間以降はsenさんに任せる。ナイスクライミング!フォローで登ったが、やはり「悪い」。ちなみに3ピッチ目は全体を通して中間支点のハーケンが打ってあります。ベタ打ちではないです。

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3ピッチ目終了点。

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4ピッチ目トラバースを抜けたところからトラバースしてきた方面を撮影。こわっ。

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はいっ!5ピッチ目核心を登るsenさん。雪も降っていたし、何よりもルートの困難さで大した写真を撮ることはできませんでした。多くの報告書で指摘されている通り、5ピッチ目の登り出しは2メートルくらいの垂壁を登るもの。まず、これが危うい。そしてその垂壁の上をあがったら5メートルほどトラバース。このトラバースは足のステップが狭く、手で握るガバのようなものも無いので結構怖い。トラバースの後は例のアブミを使用するスラブ。噂通り手掛かりがない。5ピッチ目のトップは私が勤めましたがA0,A1を駆使して、長時間かけて何とか抜けました。終了する頃にはビレイヤーのsenさんは降雪のため雪まみれになっていました。

 

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北西稜の5ピッチ目を抜けたら200mか300mほど登って一般登山道に合流!

阿弥陀標識も雪に埋まってました。帰りは北稜を下降して行者小屋に至りました。

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ラッセル、岩雪ミックスの登攀と内容てんこ盛りの山行でした!美濃戸の駐車場到着は19時となっており、どろどろに疲れ切りましたが、充実した登攀でした!senさんありがとうございました。

<コースタイム>

5:00美濃戸→6:45南沢北西稜分岐→10:00北西稜取り付き→15:20北西稜終了点→16:15阿弥陀岳山頂到着→18:00行者小屋→19:10美濃戸到着