4/27-28 奥穂高岳南稜(偵察)

4/27-28 奥穂高岳南稜(偵察)

奥穂高岳南稜(の偵察)に行ってきました。

GWの前半、せんさん夫妻と鹿島槍天狗尾根、北鎌尾根などの候補を考えていましたが、どうも天気が良いのは28日だけになりそう。2日で行ける奥穂高岳南稜に変更して、28日に登るように日程も調整しました。

26日前夜から雨が降り出しましたが、明け方には上がり、沢渡では青空が広がり始めました。1日目は岳沢までで急がないので、9時過ぎのバスでゆっくり出発。上高地に上がるとこちらはまだ雪が舞っていましたが、開山祭を始めようとしているところで、たくさんの人が来ていました。

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岳沢を登っていくと、岳沢小屋のブログで25日に発生したという雪崩の巨大なデブリがありました。

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岳沢小屋に到着。雪のある時は初めて来ました。テント場は段々畑のようにきれいに整地されていて、雪かきの必要なし! 飲料水も提供してもらえ、快適なテント場です。

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しかし、やまないどころか強くなってくる雪。雪がやんだら翌日の登攀に向けて偵察に行こうと思ってましたが、やむ気配なし、視界もなし。南稜を登った後は吊尾根から奥明神沢を下山ルートに考えていましたが、

  1. 雪崩のリスクが高くなっている
  2. 奥明神沢が下りられないと判断した場合のエスケープルートがない(涸沢に下りる手もありますが、すでにこの日の午後に小豆沢で雪崩が発生したという情報が入ってました)
  3. 初見でルートの下見もできていない

など、リスクが高いと判断して、今回は偵察に切り替えることにしました。というわけで、宴会モードに。結局、雪は18時ごろまで降り続けました。

翌朝はかすかに高曇りながら、きれいに視界が晴れました。正面に見えている細い雪の回廊が奥明神沢。結構狭くて傾斜があります。4パーティほど、奥明神沢を登っていきました。

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私達はトレースを辿って、南稜の取り付きへ。小屋から少し回り込むと、ピラミッド状の岩峰が3つ並んだトリコニーが見えてきました。ここから見ると、想像していたより1つ1つが大きく見えます。2パーティが登攀中で、1パーティは滝沢大滝のすぐ左から、もう1パーティはもう少し左から登っていったようです。

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下の写真の右側がおそらく前穂高沢。南稜からの下降路に使われており、奥明神沢より近いですが、小屋の方の話では下り口が分かりにくく、左手の滝沢に入り込んでしまうことがよくあるとのことです。

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一通り偵察が済んだので撤収~。昨日の新雪の上に、スキーの跡がついていて気持ちよさそうです。

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岳沢小屋のテラスでお茶を飲みながら日向ぼっこしてまったり過ごし、テントを撤収して下山。先に日が当たり始めた、東斜面では次々と小規模な表層雪崩が発生してました。

太陽の周りにはくっきりと日暈が。

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そして、ちょっと見えにくいかもしれませんが、下のは「環水平アーク」という現象のようです。

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観光客でにぎわう上高地には鯉のぼりがたなびいてました。GWですね。奥穂南稜は(今年も)お預けになってしまいましたが、下見もできたし、いずれチャンスが巡ってくるでしょう。

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