5/3 白馬岳主稜

5/3 白馬岳主稜

白馬岳主稜は、標高差1400mを一気に頂上に突き上げる雪稜や雪壁を連ねる長大な稜線、「日本のクラシックルート」でも「日本を代表する雪稜ルート」と謳われる日本屈指の人気ルートだ。白馬岳主稜は2回目だが、今回はKミヤさんと日帰りの計画とした。

雪が締まって状態がいいうちに主稜を抜けたいのと、ルートの渋滞も予想されるのとで、早い時間に出発することにした。まだまだ満天の星空、超早朝発は眠くて辛いが、GWだけあって真冬のような寒さはほとんど感じない。
ヘッドランプの明かりを頼りに白馬尻への登山道を辿るうちに徐々に空が白んできた。空の白みと共に、薄明かりに主稜が圧倒的な大きさで目の前に浮かび上がってきた。
IMG_0545

杓子岳、大雪渓もモルゲンロートに赤く染まり始めた。
IMG_0572

主稜の取り付きからルートを見上げる。8峰への急登のトレースがはるか上まで続いている。人気ルートだけあって階段状にトレースが付いている。
IMG_0573

やっと登ったと思ったらまた目の前に急登が現れ…8峰はまだまだ先なのだ。遠い…。
IMG_0574

息も絶え絶えヘロヘロになりながら、はるか上まで続くトレースを辿る。「キツイっすねー(>_<)」と弱音を吐くと、「まだまだ序の口でしょー」とKミヤさん…トレランでトレーニングばっちりで息一つ乱れがない。さすが…。

8峰から先は尾根が一気に狭まり、雪稜となってきた。両脇がスッパリ切れ落ちているが、トレースもばっちりなので技術的には易しい。
IMG_0575

7峰への登り。
IMG_0576

杓子尾根、杓子岳を横に望む。
IMG_0485

ピラミダルな6峰への登り。ややブッシュが出ている箇所もあった。
IMG_0577

6峰から振り返る主稜、うねりながら雪稜がはるか下まで続く。
IMG_0578

5峰への登り
IMG_0579

4峰への登り
IMG_0583

3峰の登り。
IMG_0580

次々と雪稜、雪壁が波状攻撃でやってくる。技術的にはいずれも易しいものの、どこまでも続く白い急階段はこたえる。先日の歩荷トレーニングの成果が全く感じられない。どういうこっちゃ…www

高度もだいぶ上がり、頂上へと続く雪壁が見えてきた。しかし、最後の2峰への急登も長い…。
IMG_0584

2峰から振り返る主稜、稜線に雪庇が大きく発達している。
IMG_0585

漸く2峰の頂き、頂上へと続く最後の雪壁の基部に辿り着いた。見上げる雪壁は長く、雪庇が大きく発達している。
IMG_0586

雪壁は傾斜はあるものの、トレースがしっかりしていて雪も締まっているので技術的には易しく感じられた。今年は雪が多いので状態も良い。雪壁を詰めて雪庇の切れ目を抜けるとそこは白馬岳の山頂、一気に視界が開けた。
剣岳、毛勝山、その奥に白山、黒部の扇状地、日本海…視界はとても良好だ。装備を解除して暫し眺望を楽しみ、山頂を後にした。
IMG_0679
IMG_0587

帰りは大雪渓を下ったが、先日の雪崩のデブリが生々しく残っていた。2人が巻き込まれて、1人の方が埋まったそうだが…これに埋まったらひとたまりもない…。
IMG_0588
IMG_0589

大雪渓を、尻セードを交えながら白馬尻まで一気に下り、ヘロヘロになりながら猿倉の駐車場まで辿り着いた。猿倉までの道すがら見上げる主稜はとても長い。よく1日であの尾根を登って降りてきたものだと思う。
IMG_0507

GWの主稜は、階段状のトレースがばっちりで雪の状態さえ良ければ技術的にはさほど難しくないので、初中級者には良い経験になりそうだ。上級者は、もっと早い時期にノートレースで登ると、雪の状態の判断、雪稜、雪壁の処理など充実した山行となると思う。いつか雪の多いノートレースの主稜に行ってみたいものだ。

白馬岳はまだまだ雪深かったが、麓の白馬村は桜が満開、早春の趣きだ。春風が心地よい。お天気も良く、白馬、不帰嶮、唐松、五竜、鹿島槍と、後立山連峰が全て一望できる。

今年の雪山はこれで締めくくりかなぁ…残雪に白く輝く後立山連峰に想いを残しつつ、春まだ浅い白馬村を後にした。

コースタイム
3:30猿倉駐車場-4:30白馬尻-5:00尾根取付き登攀開始-6:50 8峰頂上-9:55 2峰頂上雪壁下-10:35白馬岳頂上10:50-11:00白馬山荘-12:30白馬尻-13:05猿倉駐車場

KZ